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地域に若者を定住させるために必要な4つのこと

7月23日、上毛新聞社主催の「ローカルメディアナイト×ぐんま愛」が開催され、gooma編集長の市根井が登壇しました。

今回のローカルメディアナイトは「若者の定住」がテーマ。進学や就職のタイミングで県外に出た若者がそのまま群馬に戻らないパターンが多い現代において、どうしたら群馬で暮らすことの魅力が伝わるのか?についてトークしました。

当日喋ったこと、そして後日いろいろ考えたことをまとめ、「地域に若者を定住させるために必要な4つのこと」としてキャッチーに書いてみます。

地域に若者を定住させるために必要な4つのこと

①若者の可処分時間の使い方を知ること

可処分時間=余暇。仕事、学校、睡眠、家事などを除いた「自由時間」のことです。そもそも、僕たち登壇者を含めた若者はこの時間を何に使っているのでしょうか?

僕の想定ですが、

  • 友達とメシを食う
  • 恋人と連絡を取る
  • 友達のSNS投稿をチェックする
  • YouTubeを見る

だいたいこのあたりで消費されているような気がしています。

毎日それらで忙しいのに、わざわざ地域の情報なんか見るわけがない。まずはその立場からスタートしなくてはならないんです。「友達と恋人とYouTuberが今何してるか」を最も大切にする世代においては、「群馬の魅力」というキーワード自体に魅力がない。

地域情報なんて基本的に分かりにくくて、面白くなくて、地味なものですよね。多くの若者が好きなのは分かりやすくて、面白くて、派手なことです。性質があまりに逆。全てを寄せる必要はありませんが、どこかに「若者にとってフックとなるポイント」を仕掛けないことには眼中にも入れないんです。

ではどうするのか。友達・恋人・YouTuberと並列以上に位置づけてもらう工夫が必要です。友達が何にハマってるのか、なら興味を持ってもらえます(goomaとしては、『個人としての「好き」と「嫌い」をちゃんと表に出すこと』がそこに求められているのだと思っています)。

②地域で暮らす様をアーカイブしておくこと

若い人が外に出てしまうのは就職や進学だけが理由ではなくて、「別の場所での暮らし」を求めているからでもあります。「沖縄で自由に生活したい」とか「東京の人になりたい」といった曖昧な希望があって、それを叶えるために就職や進学を利用している。

もちろん群馬も選択肢に入る可能性はあるわけで、「群馬で暮らしたらどんな生活が待っているんだろう?」と万が一興味を持って調べてくれる人もいるでしょう(どんなルートで検索するかは分からないけど)。その時にどんな情報が検索結果に広がっているかが要になってくる気がしています。楽しそうなページがひとつも表示されなかったら選ばれるわけがない

だから、まずは地域で暮らす様をアーカイブ(インターネット上にストックすること)していかないことには始まらないと思うのです。ローカルメディアの価値はここにあります。それができてから、初めて「地域の魅力を発信する」のフェーズに入ることができます。

そしてこれはインターネットに限った話ではなく、紙媒体の作用も重要です。ローカル駅に降り立った人がまず知りたいのは、地元の人が発信する地元情報(良い意味でお金が絡んでないから信用できるのだ)。下仁田には「おてんま」があるから、下仁田駅に降りた瞬間に下仁田の楽しさが一発でわかるようになっているんですな。

③大切な資源を守ること

魅力を作り出すためには新しく施設やシステムを作ることも大事ですが、昔からある文化や土地、建築などの「大切な資源」を保守することも大事です。ローカルにはたくさんの資源があり、それは若者の定住につながるポテンシャルを秘めています。

僕がこれについて考えるようになったのは、下仁田の「古道具・熊川」への取材がきっかけです。店主の西原さんが発した「下仁田には素晴らしい物件がある。今となっては誰も作れない建築で、本当に価値があると思う。ただ、昔はもっとたくさん存在していたらしい。新しいものを取り入れて都会に近づかなければ、と思うあまり、少し壊しすぎてしまったみたいだ」という言葉が脳内をぐるぐるし、資源を手放すことの恐ろしさにおののきました。

また、高度経済成長が終わってから生まれた僕たちは、物心ついたころから「何もかもがある世界」に生きています。社会のスピードはどんどん速くなって、アクションから報酬のスパンが最高に短い状態。だから、既にある1をうま〜く使って10を作ったり、その10100にしたりする活動が得意です。

そして逆に、0から1を生み出すのは苦手です。地域のコミュニティとか、森とか、長い年月をかけて醸成されるものを今から作ることに慣れていないんです。(エジソンや安藤百福だって今の時代に生まれていたら史実のように「全く新しいものを発明」することは難しいんじゃないかと思います)

だからこそ、そういった「既にある大切な資源」にちゃんと価値があるんだ、ってことを言い続けるのがローカルメディアの役割だと思っています。

④若者の「楽しい」に投資すること



これからの日本、これからの群馬を背負っていくのは誰か?社会の構成員としてバリバリ働いてくれるのは誰か?高齢者を支え、次の世代に命を継いでいくのは誰か?それはぜんぶ若者です。

で、あれば、これまでの資本主義の延長的な価値観をそのまま流用するのではなく、若者が「楽しい」と感じているところに投資してあげるほうが長期的にみて正なのではないでしょうか。都合がいいことに、いまの若者にはお金がありません。僕の周りでお金に困ってないヤツはひとりもいません。全員もれなく「金が足りない」って言ってます。要するにお金を出すという「恩の売りしろ」がある。

伊香保の廃しめじ工場をリノベしている「ジュマンジ」のクラウドファンディングは、みごと目標金額を上回って達成しました。これに支援した人は、1994年生まれの若者から「ありがとうございます」って言われる権利を持ってるんです。高齢者の事故や年金などの問題が目立ってきて、上の世代へ憎悪感情を抱く若者が増えてきました。あとちょっと背中押したら革命起きちまうんじゃねえかという時代に差し掛かっている中ですが、こうやって若者から感謝される人もいるわけですな。

おまけ:移住したあと、定住したあと、どうすんの?という問題

イベント中、「高崎で暮らす」編集長・西さん(写真右)から、『移住、定住の先を考える必要がある』というコメントがありました。これはマジでその通り。「ローカルメディア?ふーん。それをやると移住者何人増えんの?」みたいな金勘定で考えているうちは何の解決にもなっていないんです。

「どうやって若者を引っ張ってくるか」より、「引っ張ってきた後どうするのか」を考える。移住・定住してくれた若者に対して、群馬県はどんな快楽を与えてあげられるのか。そこを掘り出し、編集し、世界に開いておくことが、結果的に若者の心を掴むんじゃないかと思っています。